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なんてことを思ってたら、トントンってノックの音が聞こえてきた。
あわてて姿勢を正して、教科書を引き寄せる。
「はぁ~い」
って返事をしながらドアを見ると、執事くんと目があった。
「お嬢さま。夜遅くまで、勉強お疲れさまです。夜食に低カロリーのクッキーをお持ちしたので、休憩にしませんか?」
「う…、うん」
笑顔の執事くんに向かって、あいまいにうなずく。
この1時間、『あぁ~』とか『うぅ……』ってうなってただけで、勉強なんて全然進んでない。
それなのに、ニコニコ笑顔で見つめられるなんて、心苦しいよ。
わたしは執事くんの視線から逃れるように顔を伏せながら、頭をかいた。
その瞬間。
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