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女の子として情けないような、いたたまれないような。
それでいて、胸の奥を柔らかくくすぐるような嬉しさも込みあげてきて、鼓動がトクトクと加速する。
このままずっと、髪の毛が絡まったままならいいのに……。
なんてことを願ってしまって、さらに鼓動が早くなった。
「はい。直りましたよ、お嬢さま」
「あ……りがとう」
弱々しく返事をする。
残念っていう想いが、にじみ出ちゃいそうで、わたしは急いで笑ってみせた。
なに、あわててるの、わたし?
執事くんは後ろにいるから、笑顔で取りつくろっても見えないのに。
バカみたい。
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