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かすかに残ってた冷静な部分なわたしが、舞いあがる自分をあざ笑う。
執事くんは、わたしの『執事』で、これは仕事でやってることで、特別な意味なんて、まったくなくって……。
こんなことを、つらつらと考えてくうちに、心がスーっと冷えていく。
「お嬢さま。まだ、そのままジっとしていてくださいね」
「……はい」
執事くんの言葉にコクンとうなずき、言われた通りフリーズする。
1秒2秒と時間が進んで、跳ねてた鼓動が落ち着いた。
……のに。
再び髪をなでられる。
「お嬢さまのことだから、頭をボサボサにしてると思ってましたよ。これ以上悪いクセが出ないように、髪の毛を結わせていただきます」
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