惑星スノードーム

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          * 「またのお越しをお待ちしております……」 パタン…… と音を立て、青年の背後で扉が閉まる。 外に出た途端に寒い風が吹く。青年は慌ててコートのボタンをかけた。 いつの間にか、雪は止んでいる。 「やっぱり、『あちら』とは時間の進み方が違うんだな……」 彼は小さく呟き、夕闇に沈んだ街並みを見渡した。 店に入る前と全く変わらない景色。しかし、店の中にいる間に、太陽は空を横切って地平線に消えてしまったようであった。 立ち並ぶ屋根の上には星が瞬き始めている。 彼は天を仰ぎ、夜空の向こうに硝子のドームを思い描いた。 ほう……と吐いたため息が、一瞬白く煙って消える。 「……まさか、自分が既に惑星(スター)ステイ中だったとはな……」 苦笑して言った。 ステイを中断すると残った期間の料金は返してもらえないと聞き、彼は別の惑星(ほし)へのステイの切り替えは断念することにしたのである。 しかし、これは自分にとって何回目の惑星(スター)ステイなのだろう……。
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