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い
伊奈智子は相田を殴りたい衝動に駆られていた。人の名前くらい覚えろよ!
神保鉄鋼のガキが自殺したらしい。
これだから、ゆとりは!
鍛えが足りないんだ!
それにしてもサトミの奴、ムカつくな!この女子アナが智子の高校の同級生だってことをGoogleは知っているかもね?
《船上パーティーに行ってきたんだ \(^o^)/》
智子が寝ようとしてるとサトミはLINEを送ってきた。
殺すぞ!
智子は悪夢を思い出した。
あの会社は茨城県の片田舎にあった。
安善印刷会社ってゆー零細企業だ。
ヤスヨシだかアンゼンだかどっちでもいい。
高校卒業して安善に入ったのだが、ブラックな会社だった。
『伊奈くん、君もういらないよ?』
課長の大野に言われたのは12月の寒い日だった。残業を終えて日報を書いているときだった。
『どうしてですか?』
『君さ?全然仕事覚えてくれないじゃん?このままだと俺の立場も悪くなんだよ』
『イヤぁ、あのぅ……』
『君には発言権なんかないんだよ。俺さ?もう36なの、ここ辞めたら終わりなんだよ。君はまだ若い、いくらでもやり直せる。とりあえず、1週間時間やるからゆっくり考えて?』
『急に困ります』
『だったら抱かせろよ!なぁ?イロイロ教えてやったろ?感謝が足りねーんだよ』
服を全部脱がされ甚振られた。
これが刑事になろうとしたきっかけだ。SITになろうかな?
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