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「さっさと入れ、オラァ!」
野太い声と共に、激しい金属音が打ち鳴らされた。
ぶっとい鉄格子に、これまたごつい鎖の先端が衝突した音である。
ヘファイストスは、のそのそと見っとも無く這いずり回って、
ようやく鉄格子の中に納まった。
一応、老人ネレウスも、牢屋の中にちょこんと鎮座している。
それを見て、野太い声の持ち主・・・クラトスは呆れた様に、ネレウスを見下ろした。
「・・・物好きなものよのぉ、老いぼれがぁ?
ゼウス様は別にお前を捕らえろとは何も言ってないのだぞ?
どうして、わざわざこんなうだつのあがらん、のろまな奴につきあう必要がある?」
「クラトス様、
あなた様の仰るように、私は物好きなのかもしれませんな、
何しろこれだけ生きておると、中々刺激も味わえぬようになっておりますのでな?」
「・・・ハン、この不具者(ヘファイストス)も殺せとは言われてないのでな、
せっかくだから看病でもしてやるがいい、
何か必要なものがあれば言ってみろ、
差し支えないようなものなら下僕たちに用意させてやる。」
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