クラトス(権力)とビア(暴力)

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  権力の神クラトスは何か言おうとしたが、 足元に唾を吐くと、 もう一人、傍にいる鎖を手にした女性・・・ビアに向かって話しかけた。  「おい、そろそろ戻るとしよう、  ハデス様も待っていらっしゃる。」 その女性こそ、暴力の女神ビア、 先ほど鉄製の檻を鎖で打ち叩いた、露出度も多目の女神である。 オリオン神群お馴染みの長いマントの下には、 これは珍しい、レザーというか、ピチピチのボンテージファッションだ。 ・・・いや、別にSとかMとかそういったイメージにくっつけるつもりはないのだが、 本人の好みである。 愛用の鉄製鎖をジャラジャラ鳴らしながら、 クラトスの言葉にカラダをくねらせた。  「どーでもいーけどさ、  なんであのじじいを大事そうに扱うんだい?  もう、いつくたばってもおかしくない位、長生きしてんだろ?  遠慮しなくてもいーんじゃないのかい?」   
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