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 ――ありがとう――  郷愁の彼方に置いてきたはずだった。  触れられぬ思い出になったはずだった。  ――どうか――  遠い記憶の向こう。  ――どうかあなたも――  セピアに褪せたはずの想いは。  ――お幸せに。  再び鮮やかに色を帯び始めた。
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