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目を見開いて通りの方を見つめていたかと思うと、カウンターから飛び出して店の外へ走り出た。
「ど、どうかしたんですか?」
慌てて追いかけて、僕達も圭一さんが見ていた方に目をやったけれど、通りにはいつもの商店街の風景があるだけだった。
その後声を掛けても圭一さんはしばらく反応せず、状況が掴めない僕達は顔を見合わせて首をひねる他なかった。
十二月を目前にした北鵜野森商店街。
今にして思えば。
物語は僕らの気付かぬ間に、静かに幕を開けていたのだ。
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