第1章 殻

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  「チクショウ!」 今日も只野の声がむなしく響く。 全身が不安と恐怖に支配されて布団から出られない。 只野の苛立ちの声だ。 時間は正午を少し回ったところだ。 普通のサラリーマンは働いている頃だろう。 しかし只野は布団の上。 不安と恐怖におびえて、外出すらままならない。 そんな自分を罵倒し“絶望“の文字を振り払うように只野の心は叫んでいるのだ。
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