第3章 誰のため?

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  その日の夜、只野は寝付けなかった。 隣では妻と次男ひとしが寝息をたてていた。 精神科で処方されている眠剤を飲んでも眠れない。 何度も寝返りを打つが全く眠くならない。 諦めて天井を仰ぐ只野。 「僕はいったい何のために生かされているのかな?」 静かにつぶやく只野。 毎朝繰り返される子供たちとのやりとり。 日中は自責の念にかられ、布団から出られない。 対人恐怖症に成りつつある今、只野が生きている価値を見いだせないのだ。 「もう……消えたい。」 只野は自分の存在自体を否定し始めたのだ。
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