1人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜、只野は寝付けなかった。
隣では妻と次男ひとしが寝息をたてていた。
精神科で処方されている眠剤を飲んでも眠れない。
何度も寝返りを打つが全く眠くならない。
諦めて天井を仰ぐ只野。
「僕はいったい何のために生かされているのかな?」
静かにつぶやく只野。
毎朝繰り返される子供たちとのやりとり。
日中は自責の念にかられ、布団から出られない。
対人恐怖症に成りつつある今、只野が生きている価値を見いだせないのだ。
「もう……消えたい。」
只野は自分の存在自体を否定し始めたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!