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そんな只野を現実に引き留めているのは妻の存在だ。
彼女の温もりだけが乾いた只野の心に一時の潤いを与えてくれる。
それが無ければ只野は恐らくすでに甘言に身を投じていただろう。
妻にさえ本心を語ることができない只野。
しかし彼女の温もりだけが今の只野を現実に引き留めている。
只野の妻は無理に只野の心を覗こうとはしない。
只野はそれを知っているから、彼女の温もりに“安心感“を覚えるのだ。
『まだ死ねない!』
只野の折れた心は、必死でもがいている。
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