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「チクショウ!」
今夜も只野の悲鳴が静かに吐き出される。
誰にも聞かれ無いように只野は吐き出すのだ。
自分自身を罵倒し、贖罪を求めるかの様に……。
***
「……した、大丈夫か?」
この声でゆっくり目を開ける。
最初に視界に入ったのはバウクの心配そうな顔だった。
「しっかりしろ、キュット。」
バウクは目を開けた私を抱き上げた。
胸が苦しい。
またいつものアレだ。
胸が締め付けられるような、悲しい様な何とも言えない感情だけ残して、夢の内容は覚えていない。
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