第4章 未来像

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  「こっちは一家離散の危機だと言うのに……。」 只野は天井に向けた手を見て呟いた。 「一体何なんだよ。」 “まほろば“の夢だけが他の悪夢とは違う。 妙にリアルなのだ。 五感で感じるその空気。 全てが本物の様に感じる。 一家離散の未来像しか想い描けない只野。 薄れゆく感情を“まほろば“だけがくい止めてくれている。 そんなことを思ってしまうのだった。 「僕にとっての“まほろば“って……。」 言いかけて苦笑した。 そんなことはどうでも良いことだ。 肝心なのは“今“をどうするかだ。 只野は再び目を閉じた。
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