第1章 殻

4/9

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
  全身が焼かれ息をするのも苦しい。 只野はとにかく日陰を求めて歩く。 砂に足を取られ何度も転んでは起きあがる。 焼ける匂いが鼻につく。 只野はひたすら歩く。 すると前方にオアシスが見える。 只野は駆け出した。 何度も何度も砂に足を取られながら。 しかしオアシスに近づく気配は一向にない。 むしろ遠ざかっているような錯覚に陥る。 ……否。 確実に遠ざかっている。 それでも只野はオアシスを求めて歩みを止めない。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加