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全身が焼かれ息をするのも苦しい。
只野はとにかく日陰を求めて歩く。
砂に足を取られ何度も転んでは起きあがる。
焼ける匂いが鼻につく。
只野はひたすら歩く。
すると前方にオアシスが見える。
只野は駆け出した。
何度も何度も砂に足を取られながら。
しかしオアシスに近づく気配は一向にない。
むしろ遠ざかっているような錯覚に陥る。
……否。
確実に遠ざかっている。
それでも只野はオアシスを求めて歩みを止めない。
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