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もうどのくらい歩いただろう。
体を焼かれながら、砂に足を取られながら、それでも只野は歩き続けた。
オアシスは遙か遠くに見えている。
突然只野の視界が暗転した。
「只野~。」
聞き覚えのある声だ。
只野を苦しめ続ける元上司の……。
只野の全身から一気にいやな汗が吹き出す。
いつの間にか足場は焼けた砂ではなく黒いコールタールのようなモノに変わっていた。
「只野~。」
さっきより声が近い。
只野は恐る恐る振り返る。
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