第1章 殻

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  「夢か……。」 只野の鼓動は早い。 手が小刻みに震えている。 頭の中が焦げ臭い。 只野はだるい体を起こした。 枕元に置いてあるペットボトルのお茶に手を伸ばす。 蓋を開けると1口飲んだ。 深呼吸をして息を整える。 只野の鼓動はまだ早いままだ。 頭を抱える只野。 「チクショウ! 何でだよ!!」 小さく叫ぶ。 まだ砂漠の匂いが消えない。 全身で悪夢を拒絶しているのが解る。
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