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リビングを挟んでダイニングで食事をしている家族の声が聞こえてくる。
Tvの音もだ。
そして、只野の耳には元上司の声がはっきり残っている。
只野はもう一度深呼吸をした。
しかし心は晴れない。
食欲もない只野は布団にくるまった。
軽く目をつむり、布団の中に身を沈める。
耳から離れない元上司の声。
砂漠の匂いも鼻につく。
気だるい体を丸めて、只野は悪夢を忘れようとする。
しかしそう思えば思うほど悪夢の事を思い出すのだ。
只野はじっと時間が経つのを堪え忍んでいた。
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