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『それは大変だったね。俺の事は、別に気にしなくていいから』
謝る俺に、村沢さんが気さくに言葉を掛けてくれて、その優しさに余計に涙が出そうになる。
「あの……月山さん…もう帰られましたよね?」
きっと、気を悪くして帰ったに違いない。
あーぁ、目から水が出てきた…。
『あー……月山、まだ居るには居るんだけどね…』
何ですと!?
予想外の返事に、耳がピコリン!と立つ。
「え!?月山さん、まだいらっしゃるんですか!?」
『うん…まぁね…』
歯切れの悪い村沢さんの声に、きっと怒り狂っているんだと想像する。
だとしても、会って、きちんと謝りたい!
謝って、俺の話を聞いてもらいたい!
「それじゃ、今から行きます!超特急で行きます!」
『いや……今日は、やめておいた方がいいかもしれない…』
「でも、また次に会ってもらえる保証なんてないですよね?」
『それは…月山の性格だから、保証は出来ないかな』
「じゃあ、行きます!今からだと、十分くらいで着きますから!」
次が無いのなら、答えは一つだ。
例え、ぶん殴られたとしても、いま会う事を選ぶ。
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