08 レポート

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 勉強中ではあるが、すこし穏やかな時間。チーム結成当初に比べれば格段に距離の縮んだ空間を嬉しく思いつつ、アンリは二人に紅茶を差し出した。ついでに、自分のカップにも余った紅茶を淹れる。 「マギのほうが器用でしょ。占いって、いろいろするじゃない…水晶の準備とか、気力の集中とか…」 「あんなの慣れだよ、それにアンリも向いてると思う」  言いながら紅茶を啜ったマギは、「あっつ」と顔をしかめた。途端、ルイードがチッ、と舌打ちをする。 「猫舌なのに油断して飲むからだろ」 「おいしそうだったんだもん」 「だもん、とか言うな。気色が悪い」 「ベルクヴァイン~、ボクに八つ当たりしないでよね~。そんなに難航してるの?」  複数の資料を同時に広げ、あちらこちらの文章を引用する作業のルイードは、誰よりもテーブルのスペースを広く使っていた。  そんなルイードにぴたりと寄り添うようにして、マギが彼の手元を覗き込んだ。 「どこで詰まってるの?」 「詰まってるわけじゃない」 「でも難しい顔してるじゃん」 「…この資料のこの部分と、こちらの資料の、ここ。どちらを先に記述すべきか、少し悩んでいただけだ」 「そんなことぉ?こっちが先でいいんじゃない」 「雑すぎるだろ」  てっきり嫌がるかと思ったルイードは意外にも注意することなく、マギをそのままにさせている。 (…あれ?もしかして二人って、仲良いのかな…)  否、仲良くなった、というべきか。
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