16 告白

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「ぜったい、おれ、勉強してから望むべきかなと…」  生来のきまじめさでそう言うと、ルイードが呆れたように深々と息を吐いた。 「なんの勉強をどうするつもりなのか、非常に興味があるところだが…そういうのは、いい。全部俺が教えてやる」 「えっ」 「なんだ。不満か?」 「なんか、色々とんでもないことまで教えたりとかしない…?」  先ほどまでの荒々しい表情を思い出すと、正直いまいち信頼できない。それでも嫌だと思わない己に重症だなとも思いつつアンリが問うと、ルイードはあっさりと「保障はしかねる」と遠回しに認めた。 「だが、どうせ俺しか知らない面になるんだから、いいだろ」 「よくないよ、恥ずかしいだろ」  精いっぱい睨み付けると、ルイードが「ぐ」と一瞬黙り込んだ。  それから再びアンリに覆い被さり、おもむろに額にキスを落とす。 「…まず一番にいいことを教えてやるが、そういう可愛いことを言うのは、逆効果だ」  鼻先が触れそうなほど至近距離で見つめられ、そのまま唇にもキスをされた。先ほどまでのような啄むものとは違い、もっとアンリのすべてを吸うみたいな、荒々しい所作。 (お、教えたこと実践させる気ないじゃん…!)  内心では激しくそう抗議したアンリだったが、口には出来ない。そこは今、アンリの身でいちばん忙しいパーツだからだ。ぬるりと入り込んできたなにか――それがルイードの舌だと気付いたのはたっぷり蹂躙されたあとだった――に気を取られたりするうち、気付けばせっかく着たばかりの寝間着の前を寛げられている。 (手、早すぎない!?)  それも抗議したいことだったが、やはり言えないまま、やがてアンリはより激しい行為に翻弄されるみたいにして、言いたかったあれやこれやを、すっかり忘れてしまったのだった。
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