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その後も『ガリガリBBQ』のお陰で、『NABE' S KITCHEN』は大繁盛。TVで紹介される事も度々で、客足はうなぎ登りに伸びていった。
今朝も早くから、仕込みの為に真鍋は厨房に立つが、その顔色はどうも冴えない。
「働きすぎかな……」
鏡に映した青白い自分の顔を見ながら呟いた真鍋は、数日前から服用している胃薬の瓶に手を伸ばした。どうやら胃の調子が悪いらしい。
そこへ、店の電話の呼出音が高らかに鳴った。
「真鍋サンっ! エラいコトだよ!」
インドに居るはずのワンさんが、挨拶もそこそこに叫んでくる。
「スグ、病院に行ってクダサイ!スグにっ!」
現地のホテルから国際電話でかけてきていると言うワンさんが、なぜ自分の体調不良を知っているのだろうと不思議がる真鍋に、ワンさんは早口でまくしたてる。
「『ガリガリ』はネ、悪魔の卵だったヨ! 真鍋さん!」
「……どういう事だ?」
「落ち着いて聞いてヨ」
ワンさんは、現地で確かめた「『ガリガリ』の真実」を語り出した。
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