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俊也と初めて身体を重ねたのは高校を卒業したその日。
(ゴーカンだった)
寒いのに、日差しは暑くて、中途半端で流星の嫌いな日だ。
日ごろからつるんでいた奴らも卒業式に参加する者は少なく、流星もその集団に混じって街を徘徊し適当に喧嘩する相手を見つけて、高校生活最後の思いで作りをして皆で笑い合った。
喧嘩が見つかれば内定を取り消されてしまうと、皆で笑いばらばらに逃げて家へと戻った。
そのころにはすっかり日は落ち、空はどんよりと曇り始めていた。
雨が降り始めると、リフォームしたはずの木造アパートには、雨漏りの音がする。
とてん……とてん……ぴちょんぴちょん。
『部屋の中なのに雨の匂いがしますね』
天井に手が届かないので諦めていると、尋ねてきたやつがいた。
『うっせ。見て分かるだろ、部屋の隅の皿のとこ、雨漏りだ』
卒業式をサボっていた流星に、卒業祝いにとケーキを持ってやってきた俊也を、面倒だが招き入れていた。
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