六、

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  その夜は、まるで初めてのセックスのような、初々しくたどたどしい二人の姿がたった。 ボロボロの木造アパートの部屋は、引っ越し準備で段ボールだらけで、しかも外は雨が降りだしている。まるであの日のやり直しの様な、同じ様子の中、二人は互いの服を脱がせ合った。 「本当は、いつも俺から誘わないとノッてきてくれないから不安だった。もしかしたら流星は俺の事好きじゃないのかなって」 「馬鹿だな。そんなわけねーだろ。お前は餌をやらなくてもいっつも俺にまとわりつく可愛い犬だよ、犬」 「……犬はこんなふうに流星を抱かないと思うけど」 「俺は、一回達したあと、まだ元気なお前のちんこを見て、こいつ、我慢できるのかあって心配してたぜ」 げへへと笑って下着の上から握ると、ぺちんと手で払いのけられた。 「じゃあ本当はもっと抱きたかったってこと、許してくれる?」 「ああ、いいぜ。ほら、やれよ」 酒の力もあってふわふわした感覚の中、素直にそう笑う。 本音が、酒の力で言いやすかった。 けれどどうだろうか。ちゃんと自分は勃つかな。 酒のせいでいつも以上に――。 「あっつ」
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