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その夜は、まるで初めてのセックスのような、初々しくたどたどしい二人の姿がたった。
ボロボロの木造アパートの部屋は、引っ越し準備で段ボールだらけで、しかも外は雨が降りだしている。まるであの日のやり直しの様な、同じ様子の中、二人は互いの服を脱がせ合った。
「本当は、いつも俺から誘わないとノッてきてくれないから不安だった。もしかしたら流星は俺の事好きじゃないのかなって」
「馬鹿だな。そんなわけねーだろ。お前は餌をやらなくてもいっつも俺にまとわりつく可愛い犬だよ、犬」
「……犬はこんなふうに流星を抱かないと思うけど」
「俺は、一回達したあと、まだ元気なお前のちんこを見て、こいつ、我慢できるのかあって心配してたぜ」
げへへと笑って下着の上から握ると、ぺちんと手で払いのけられた。
「じゃあ本当はもっと抱きたかったってこと、許してくれる?」
「ああ、いいぜ。ほら、やれよ」
酒の力もあってふわふわした感覚の中、素直にそう笑う。
本音が、酒の力で言いやすかった。
けれどどうだろうか。ちゃんと自分は勃つかな。
酒のせいでいつも以上に――。
「あっつ」
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