一、

10/34
前へ
/95ページ
次へ
『単細胞なんですね』 『お前、すげえ生意気。可愛くねえな』  面白くなくてランドセルを母親のベッドに放ると、窓を眺めた。 『そうですか。俺は貴方は可愛いと思いましたけど』 『はあ!?』 『いつも、元気に走り回って、楽しそうで、……可愛いと思いました』  表情は変わらず、淡々としていたがそれは嘘ではないのだと感じで、流星は顔を真っ赤にした。 『お、男に可愛いって、きっも。きっもすぎ。気持ち悪いッ』  その直後、母親から鉄拳を頭に落されたのは言うまでもない。
/95ページ

最初のコメントを投稿しよう!

401人が本棚に入れています
本棚に追加