401人が本棚に入れています
本棚に追加
お団子頭の同僚は、自分だって独身なのを棚上げして流星をからかっている。
「でも、一緒に住んでる人、医者ですよね? 医者があんな風が吹いたら壊れそうなボロアパートに住むもんですかねえ?」
事務のスタッフまでからかうので睨みつけるが、二人は流星の睨みなどお構いなしで喋り続けた。
「だから、給料が少ない流星が、頼みこんで一緒に住んでもらってるのよ」
事務スタッフと同僚が好き勝手に言いながら笑う。
「あら、給料少なくて悪かったわね。流星みたいに訪問美容師してくれるなら給料上がるわよう」
「えー。パスです。二足のわらじは私には無理だわー」
「っち。ここはオカマと女しかスタッフいねえのかよ。次は男を入れろよな」
つまらない会話に嫌気がさした流星はそう言うが、隣の千里は顔を真っ青にしていた。
「あ……女ですみません。が、頑張ります!」
真っ青な顔でへらりと笑う。逃げ出したりせず根性が少しはあるのではないかと、少し見直していた。
最初のコメントを投稿しよう!