401人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
喫煙所の隅っこで、獲物なんて来もしないだろうに馬鹿馬鹿しい。
足を延ばして、その糸を絡めとる。
「流星さんってば」
「うっせ。聞こえてる」
「それで……流星さん、今日の夜は予定ありますか?」
「……ねえけど、いきなり初日に男を誘うつもりか?」
怯えたハムスターみたいな挙動不審な様子のくせに、一丁前にデートの約束をしようとしているとしたら、強かな人間なのかもしれない。
「ちがっちがいますっ スタイリスト材とかシャンプーとか、カットとか。出来たら夜も指導してほしいんです」
デートの誘いじゃないと言うのが少し不服だったが仕方ない。
「今日は用事あるんだが、明日からでいいか?」
最初のコメントを投稿しよう!