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『……流星さん?』
嗚咽が零れた流星に気付いて、俊也が顔を覗きこんだ。
それに安心した流星がぽろりと涙を落とす。
『や、……っと名前、、呼んだ。やっと、顔見た』
『りゅ、せ、さっ……』
『俺はお前の欲望を吐き出す穴じゃねえよ。馬鹿』
『うっ……』と小さく声を殺しながら泣きだした流星に、俊也はようやく正気を戻したのか慌てて布団へと下ろす。漸く抜かれた欲望が、ずるずると糸を引く。
すると流星の奥から、ゴプゴプと泡だった液体が零れ落ちてきた。
赤くはれ上がったそこを見て、俊也が頭を押さえながら布団に倒れ込んだ。
『ごめんなさい……。ごめんなさい』
謝ってんじゃねえよ。
そう悪態を付きたくても、疲労と倦怠感から指一つ、唇さえも動かすのが億劫だった。
足が、自分で閉じれない。閉じようと動かすと吐き出されたものが零れ落ちる。
痛みと不快感だけの行為に足が震えている。
重い沈黙が続く修羅場の中、玄関の鍵がカタンと小さく回った。
『ちょっとぉ、初日から仕事サボるなんて、どういうつもり――』
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