二、

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 *  二十時を過ぎ、片付けや戸締りをした後、互いに挨拶を交わし家の方角へ皆帰っていく。 「ほら、ちゃんと送って帰るのよ」 「うっせーな。オカマのくせに」  店長に千里を送っていくように頼まれた流星は小さく舌打ちする。するとビビった千里が後ずさった。別に食べやしない。店長の考えていることも透けて見えてくるので、期待するようなことは絶対するつもりはない。 「おい、言っとくが駅までだ」 「は、はい」 「俺のベンツ、乗ってみるか?」  ポンポンと自転車の後ろを叩くと、千里はホッとしたように笑いながら首を振る。 「二人乗りは法律で禁止されてるんですよー」 「は? まじで」  そうだったっけ?と首を傾げる流星に、千里は笑う。 「なんか流星さんって癒し系ですよね」 「まじかよ。煽てても研修は優しくしねえぞ」 「くぷぷぷ。もちろんです。でも、家に帰っても流星さんがいるって、恋人さんが羨ましいですね」 「……恋人だって言ったっけ」
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