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たった一言。それだけで気を使ってもらったと気づいた千里の顔は綻んだ。
そして地面についてしまうんじゃねえかってほど深く一礼して改札口へ走っていく。
その、とてとてとした危なっかしい走り方が愛おしくて、小動物を愛でるような気持になった。
「……何で俺、あいつだったんだろ」
もしかしたら、千里とのラブストーリーだって展開されたかもしれないのに、と起こるはずもない夢を見て、流星は溜め息を吐いた。
そのまま何も起こらずに、駅まで送るとスーパーへと足を運んだ。
*
店長に発見されてしまい、そのまま俊也は何度も殴られ蹴られ、畳の上を転がらされ、畳には血が飛び散っていた。
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