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『何を言ってるの。両成敗じゃないでショ。抵抗できない貴方を乱暴したんだから! 死刑よ』
再び殴りかかろうとする店長に、流星は首を振る。
『可哀想じゃねえか。もういい』
『……何を』
驚いて目を見開く店長から視線をずらし、涙を流し這いつくばっている俊也に駆け寄る。
『俺もてめぇが好きだよ。好きだから無理やりは止めてほしかったんだ。このクソ馬鹿が』
『流星さん……』
『抵抗しなかったのは、好きだったからだ、バカ』
もう一度言うと、俊也は目を見開く。そして震えながら流星を抱き締めた。
が、身体を大きく揺らして、流星が怯えたために店長が引きはがした。
『大切に、大切にします。もう二度と、こんなこと、しません。大切にします』
『DV男って、ハネムーン期があるのよね。こうやってプライドもなくみっともなく泣いたりもワケなくできるのよ』
」
『チャンスを、チャンスをください!』
『駄目よ、許しちゃ駄目、流星』
店長の制止を振り払い、よろよろと俊也に近づく。一生後悔すればいい。
一生、俺のことを思って胸をえぐられる痛みに、襲われればいい。
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