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夢を見た。
『待って下さい。どこに行くんですか』
母親の病室で、勉強をしている俊也が、必死で流星の名を呼ぶ。
『待ってやるから、とっとと行こうぜ』
勉強道具を放りださせ、手を繋いで部屋を出て行く。
その瞬間の嬉しそうな俊也の顔を見て、自分たちは遠回りをしたのだと気付いた。
さっさとこうやって一緒に連れて行ってやればよかったと。ゲームだと、言い訳して逃げ出したのはただの自分の弱さだった。
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