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私は布を剥ぎ取った時の勢いで、ヘラクレス像の身体に触れてみた。厚い胸板と腹筋に触れ、逞しく盛り上がった両腕の質感を確かめるように撫で下していく。
そして一番気になるソコを、掠めるようにして触れた。
――わ!こんな形してるんだ!これって平常時だよね。……って私、本当におかしいかもしれない!
石膏像の下肢に触れるだなんて、変態女子高校生と言われても仕方がない。
「はぁ……。色々疲れてるのかな……。帰ろ」
私は床に落とした白い布を拾い、ヘラクレス像にかけようとした。そう、もじゃもじゃの頭から全身を隠すように。しかしその時、私の目に飛び込んできたのはあり得ない光景だった。
「ひっ!!」
私はヘラクレス像の身体がみるみるうちに生々しく色をつけていくのを目にして言葉を失った。その変化は私が最期に触れた下肢から始まり、全体へと広がっていく。
「な、なんなの!?」
薄汚れた白い石膏に、色がついていく。色が付くというか、生々しく肉感的に変化していく。白と肉感の境界線が青白く光り、それがどんどん移動して遂には頭部とつま先まで光が広がっていった。
私はあまりの事態に腰が抜けてしまい、床に尻餅をついた。
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