ブルータスが描くもの

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 ブルータスの瞳に欲望が灯り、そして顔がぐっと近づいてくる。あ、キスされる。そう思ったので、私はブルータスの口元に手を当てて、キスを回避した。 「な、なぜだ、カナ」  私はブルータスの顔の前で指を振ると、ちっちっちっと舌を鳴らす。 「泊まり込みで受験対策なんでしょ? 受験までの時間が勿体無いから、まずは私の希望校の聞き取りをして欲しいの。私の夢、応援してくれるんでしょ?」  ブルータスはうっ、と言葉に詰まり、仕方なさそうに顔を離した。でも全く服を着るそぶりがないところがなんとも。分厚い胸板が目に毒なんだよね。  気を取り直して、私は身体に巻いたシーツの裾をきゅっと握り、胸元をしっかり隠した。 「私の夢はね、いつか飲食店とかの店舗デザインをすることなんだ。居酒屋とかも最近はお昼にランチ出したりする所が増えてるんだって。だからお昼は女性向けにして、お洒落な感じにできるように簡単に配置を変えられる机とかをね……」
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