子分ナツキ

5/8
782人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
. 「マダちゃんお昼寝しよっか、ナツも寝たし」 ナツキはうちに来て以来、飲んじゃ寝の繰り返し ミルクをたらふく飲んだおかげで 腕も足も大根みたいになった 顔に至っては桜島大根や カゴシマのばあさんが送って来るやつ まぁ、ワシ大根は食わへんけど 毛皮のワシにはツライ季節 カナは庭には出してくれん 木陰で昼寝するんが好きなのにな 早よ太陽大人しゅうなれや 座布団の上にナツキ その横にクッション枕のカナ カナの背中にくっ付いてワシ 背中か… 「あ、今のうちにお風呂洗ってこよ」 寝たと思ったらカナは立ち上がって ワシ禁断のフロヘ行ってしまった カナのクッションもらい ウトウトzzz… 『こんなにカボチャええの…zzz  や…もう食われへん…zzz』 「んぎゃーーんぎゃーヒック!んぎゃーーー!」 ちょ、いいとこで起こすなや 「んぎゃーーーんぎゃーーー」 『カナ~泣いてんで~』 「んぎゃーーー!」 『うっさいな!うさ耳なめんなよ!  目ぇ閉じてんなら寝ろや!』 「んぎゃーーー!んぎゃーーー!」 イライライラ 『せっかくカボチャ食い放題だったのに…  てか泣けばカナが来るからって  カナは元々ワシのカナやで!』 堪忍袋も弾けるで! うさうさ連打パーンチ! ビシビシビシビシ! 『ブヨブヨやなお前!パンチ効かへん!』 「んぎゃんぎゃ…んくんく…」 ん?大人しゅうなった 勝った? 「やだマダちゃん…!」 は!!カナ!! 『違うんや…違うんやこれは!  だ…だってナツキが大声出すから…!  パンチちゃうねん!』 「よしよししてくれたの?  ナツが泣いたからトントンしてくれてたの?」 はい? 「すごーい!マダお兄ちゃん!  ナツキねんねさせてくれたの~!」 カナがめっちゃ嬉しそうに笑って ワシを抱っこした 「さすがマダお兄ちゃん!」 『へ…へへ』 まぁええか 「マダちゃん大好き!」 やっぱこれやな カナのギューは最高や 「マダお兄ちゃん、洗剤流してくるから  もうちょっとナツキのことお願いね」 『しゃーねぇな~  兄ちゃんも楽じゃねぇやな~』
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!