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「マダちゃんお昼寝しよっか、ナツも寝たし」
ナツキはうちに来て以来、飲んじゃ寝の繰り返し
ミルクをたらふく飲んだおかげで
腕も足も大根みたいになった
顔に至っては桜島大根や
カゴシマのばあさんが送って来るやつ
まぁ、ワシ大根は食わへんけど
毛皮のワシにはツライ季節
カナは庭には出してくれん
木陰で昼寝するんが好きなのにな
早よ太陽大人しゅうなれや
座布団の上にナツキ
その横にクッション枕のカナ
カナの背中にくっ付いてワシ
背中か…
「あ、今のうちにお風呂洗ってこよ」
寝たと思ったらカナは立ち上がって
ワシ禁断のフロヘ行ってしまった
カナのクッションもらい
ウトウトzzz…
『こんなにカボチャええの…zzz
や…もう食われへん…zzz』
「んぎゃーーんぎゃーヒック!んぎゃーーー!」
ちょ、いいとこで起こすなや
「んぎゃーーーんぎゃーーー」
『カナ~泣いてんで~』
「んぎゃーーー!」
『うっさいな!うさ耳なめんなよ!
目ぇ閉じてんなら寝ろや!』
「んぎゃーーー!んぎゃーーー!」
イライライラ
『せっかくカボチャ食い放題だったのに…
てか泣けばカナが来るからって
カナは元々ワシのカナやで!』
堪忍袋も弾けるで!
うさうさ連打パーンチ!
ビシビシビシビシ!
『ブヨブヨやなお前!パンチ効かへん!』
「んぎゃんぎゃ…んくんく…」
ん?大人しゅうなった
勝った?
「やだマダちゃん…!」
は!!カナ!!
『違うんや…違うんやこれは!
だ…だってナツキが大声出すから…!
パンチちゃうねん!』
「よしよししてくれたの?
ナツが泣いたからトントンしてくれてたの?」
はい?
「すごーい!マダお兄ちゃん!
ナツキねんねさせてくれたの~!」
カナがめっちゃ嬉しそうに笑って
ワシを抱っこした
「さすがマダお兄ちゃん!」
『へ…へへ』
まぁええか
「マダちゃん大好き!」
やっぱこれやな
カナのギューは最高や
「マダお兄ちゃん、洗剤流してくるから
もうちょっとナツキのことお願いね」
『しゃーねぇな~
兄ちゃんも楽じゃねぇやな~』
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