序章 怪人赤マントの伝説

3/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
日本海に面した雪国 某寒村にて 雪の降るある晩 その家に 男が突然 訪れて「本家の誰それが亡くなりそうだからご主人を連れて来てくれ」と頼まれたと しかし その男 藍色のタオルケットを被っていて その家の主人は不審に思うも その男の持った本家の紋が入った提灯の 煌々と照らす灯りに 信じ込まされて 主人は その男と 一緒に 本家へ 雪の降る中 向かって行きました。 そして 二時間ほど後 その藍色のケットの男 再び この家を訪れては「本家で 医者が もう誰それ危ないから 奥さんにも来てほしい」と告げて来ました。 奥さんは 隣家へ 詳しく 事情を伝えて家の子供たちを頼みますと言っては やはり 本家の紋の灯りの提灯に足元を照らされながら 雪灯りのなか 藍色のケットの男と一緒に出ていきました。 そして一時間経った頃 三度 あの藍色のケットの男が 次は 隣家へやって来ては 「本家の誰それ 先程 亡くなりました 子供たちも連れて来るように」と 言われてやって来ました。 が 隣家の奥さん そして 旦那さんが この藍色のケットの男が どうも不気味な存在に思われて 「こんな寒い中 子供たちを行かせるのは無理です」と 答えて 「明朝 連れて行きますと伝えてください」と 藍色のケットの男を 帰しました。 明朝 隣家の旦那さんが 子供たちを連れて その本家へ行くと 本家では 亡くなったものなどおらず また 病人さえもいないことがわかりました。 そこで 藍色のケットの男に連れて行かれた その家の主人や 奥さんは いったいどうしたのであろう となり 本家の人や 近隣の人たち総出で 探索すると ああ なんたることであろうか?? 村の外れにある 凍りついた池の畔にて 二人とも 頭を割られて 惨殺されている状態で見つかりました この事件 男の藍色のケットそして 本家の紋の入った提灯など いろいろと事件に関わりがある物が その池の近くで発見されて これならば すぐに 犯人が特定されるだろうと思われたが  どこへ消えてしまったのか 藍色のケットの男は 忽然と消えてしまい 未解決事件になったと言う出来事があって 昭和の初期故に今のような情報網がなかったのだが 全国津々浦々に広く伝わったそうです。 これがいつの間にか 赤マントの噂となったようです。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!