序章 怪人赤マントの伝説

5/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
そして ほんの数年前に起きた凄惨な事件は 天眸 杏子にしても 身震いするようなものでした。 神州 姫樹平の近くにある 某小学校にて 人拐い案件が 数件 急に 起こりました 晩秋から 初冬にかけての ほんの二ヶ月の間  いくつかの小学校 そして 中学校にまたがって 恐るべき怪人の魔の手が 子供たちを恐怖のどん底に落としました。 初めは 小学五年生の女子が 塾帰りに消息を絶ったのを皮切りに  その小学校で 三件 すぐ隣の中学校で二件 そして 隣町の高校で二件と その 行方不明が相次ぎ起きて 初冬  ある情報が  高校三年生のA子さんが 学校帰りの自転車をこいでいる時 そいつは 突然 前に出現しました そいつは 真っ赤なマントを靡かせて 顔には これも 深紅のアイマスク そして不気味な口許が ニヤニヤと笑っているのを見た A子さんは 自転車のペダルを 死にもの狂いで漕いでは そこから逃げ出せたとか それから その紅マントの怪人が 辺りに出没するようになり 小柄な女性刑事が 囮捜査中に ついに 紅マントの怪人と遭遇して 拳銃を構えて 威嚇するものの 紅マントは ワハハっと哄笑を浴びせるや なんと 紅のマントを その女性刑事に 翻しては 顔を覆い 気絶させてしまいました そこへ 同僚の刑事数名が 現れては その紅マントの怪人を 追いかけるも 森林の中で 忽然と消えてしまうという出来事の後  女性刑事が気がついてから 語ったところによると マントを被せられた瞬間 何か 麻酔のような香りで 失神させられたとのことにより 俄然 ナガノ県警は 色めきたって 医療関係者 ならびに クロロフォルムなど 扱えるものの徹底捜査を行い ついには 紅マントの怪人の正体ではないかと思われる 容疑者の特定に到る訳だが 「これから先は 我々 特務現象課と そちら 神務庁のみ知らされた件ですから 知ってますよね 天眸さん」 「はい その後の事件の概要ですね 」と 天眸 杏子が語った その内容は 若き医師 紅丘 蓮司(くれおかれんじ)28歳 紅丘医院の若き院長  彼には 怪人赤マントへの憧憬が幼き頃よりあって ある日 彼の頭のなかに 赤マントが降り立ったと 手記には書かれていました それ以降 彼は紅マントの怪人として 狂った欲望二ヶ月駆られていくわけだが。。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!