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「なるほどねぇ。分かる気がする」「小杉さんが店長になって、あの店が更に良くなったそうです。俺は入ったばかりだったけれど以前より団結力も深まったってパートのオバサンが言ってたんですよ。俺、店長が上司で良かった。だって、新人だからって、こうしてお昼の忙しい時間に休憩させてくれるんですよ。この店に来るのを言っていたからって、気を利かせてくれて。」「あーだからお昼に休憩だったんだ。そうだよね、お蕎麦屋さんだってお昼の時間は多忙なのに。優しいね店長」自分が褒められたような気がして嬉しくなった「そうなんです。だから俺、店長には幸せになって欲しい」ズキッ・・・とした。幸せから遠ざけている張本人は私だもん。そうだよね。あんなに良い人を引き留めて置いて主人もいるだなんてズルいし最低だよ・・・。「うん・・・幸せになって欲しい・・・ね」「幸せか幸せじゃないかは本人が決める事だから外野がとやかく言ってもしょうがないんですけどね!・・・お、もうこんな時間。スミマセン、俺、休憩時間終わるから先に失礼しますね」「そっか、うん、じゃぁ私も・・・」と立ち上がろうとしたら片手で阻止された。「いいんですよ、まだゆっくりしてい て下さい。ここは俺が払います。って言うかお願いですから払わせて下さい。」顔の前で手を合わせる山寺君。「でも・・・」「お礼ですよ、お礼!!いいでしょ?」山寺君が甘えた顔でお願いしてきたので、ついうっかり頷いてしまった。「うん・・・じゃぁ・・・御馳走になります・・・。」「ありがとうございます!‘ここは俺が’って言ってみたかったんですよ。練習させて貰いましたwwじゃ、またお店に来てくださいね!」と颯爽と去って行き「あ!!ありがとう・・・」と言うお礼の言葉はきっと聴こえなかっただろう。今度、お蕎麦屋さんに行ったら、ちゃんとお礼を言わないと。それにしても山寺君、若者なのにしっかりしていて一途で。良い子だわ、ホント。心が洗われる。そして自分の所業に嫌悪する。二股だよね・・・私のしてることって・・・・・。 普段、山寺君ほど若い子と接することは少ないので、誘って貰って自分の方が刺激を受けた。今のまま永遠と過ごすことは無いだろう。少しずつでも自分の気持ちと向かい合わなきゃなぁ・・・。
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