第二章 メル友、はじめました

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山寺君とお昼を食べてから他に買い物もせず真っ直ぐ帰宅した。スーパーへ行ってからお蕎麦屋さんのモーニングサービスを食べて、カフェでお昼。そんな長時間、出かける予定がなかったから、ちょっと疲れちゃった。TVリモコンで電源を入れ再放送ドラマのチャンネルにする。TVをつけっぱなしで洗濯物を取り込んだ後、畳みながら再放送ドラマに見入る。人気ドラマだったな・・・毎週欠かさず見てたっけ。主人公の女性が不倫しちゃう話。自分の生活に無関係な不倫ドラマだったから感情移入も出来なかった。結婚しているのに同窓会で再会した同級生と不倫するんだよね。当時の私は結婚しているのに他の男の人に惹かれて不倫しちゃう主人公に軽蔑した。なのに・・・今なら、この主人公に感情移入・・・出来てしまう。良い事じゃないよね、分かっている。見入っていた再放送ドラマが終わった後にバラエティ番組が始まる。「本日の特集は‘不倫する女性’です!三人のコメンテーターと不倫女性を暴く!」ガタッ!!!不倫ドラマの後に不倫特集??動揺して椅子から立ち上がってしまったけど、特集が気になったので見ることにした。紅茶でも飲みながら見ようかな。ティーバッグをマグカップに入れてポットのお湯を注いで紅茶の香りがフワッと漂い肩の力が抜けた。CMが終わるころ椅子に座った。「家庭が円満なのに不倫する人って心配事がないから暇つぶしなのでは?」とコメンテーターが言う。我が家だって家庭円満だ。だけど暇つぶしで主人以外の人と恋愛しようとか想わないよね・・・。他のコメンテーターが言う。「暇つぶしと言うのは少し語弊がある。どんなに家庭円満でも、それ故に刺激が欲しくなって純愛にハマッてしまうのでは?」うん、そうかもしれない。三人のコメンテーターが述べる番組で最後の一人が口を開いた。「そうですね、家庭円満ゆえに問題も無く平和すぎて物足りなさを感じているのしょう。」
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