第二章 メル友、はじめました

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お互いが‘逢いたい’と想っているのが分かって、それでも今のまま[メル友]の関係になると決めて1週間が経った。あれからメールのやりとりは無く淋しい反面、頭を冷やす期間でちょうど良かったのかもしれない。とは言え私は小杉さんの行動を知っていた。SNSで今週は店舗を盛り上げる活動でずっと忙しいようだ。キャンペーンのお知らせや相変わらず小杉さんFANからの熱いメッセージへの丁寧な返信、お店での接客以外にもSNSで宣伝活動をするのは大変だなぁ・・・と密かにチェックはしていたけれど、なんだかストーカーになった気分。お蕎麦屋さんのSNSがこんな風に盛り上がるのを見たことが無い。チェックしている人も結構いるようで予約もいっぱいの事が多かった。主人の仕事が落ち着いたら、また行こうかな・・・そばがき汁粉、凄く美味しかったので一緒にモーニングサービスもいいな。そう想っていると小杉さんからメールが届いた。「ご無沙汰しています。今週は店舗の宣伝でバタバタしていました。キャンペーン開催しているので予約も沢山頂いて目まぐるしい一週間でした。貴方はお身体、壊されてないですか?僕は貴方にメールが出来ないこの時間がストレスになり我慢も限界(笑)とうとうメールしてしまいました。」店長としての近況と優しいメールに目頭が熱くなる。小杉さん、一週間ぶりのメールで少し緊張気味なのかな??「ご無沙汰しています、私は元気ですよ!お気遣いありがとうございます。小杉さんは毎日お忙しくてご無理なさっているんじゃないかと心配していた所です。SNSもばっちりチェックしているFANの一人ですよ(笑)」明るいメールになっただろうか?私こそ一周間ぶりのメールで緊張してしまった。「ご覧頂きありがとうございます!君が見ていてくれていると信じてSNS更新し意識しすぎて仕事が進まないと言う、頭にお花が咲いているアラフォーですが嫌いになりましたか?」プッ・・・。肩の力が抜ける頼もしいメール。気にしてくれた事が嬉しい。「言わなればアラフォーに見えないですし嫌いになんてなれるわけないじゃないですか!」素直な気持ちをメールした。
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