第三章 別れのきっかけ

4/16
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
主人から転勤の話をされて次の日。出かける前に主人が「昨日、話してた蕎麦屋のモーニングサービスって土日は予約しなきゃマズい?予約入れといてくれる?」「OK!後で予約しとくね。」主人は話していた通り今週末にお蕎麦屋さんのモーニングサービスに行く気満々だ。私の小杉さんへの気持ちを知っていたのに言わないで黙り続けてくれた。気にしない素振りでお蕎麦屋さんへ行くと言ってくれた、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。きっと信じていてくれているのだ、転勤をきかっけに小杉さんと縁を切る事を。むしろ私には転勤が有難かった。小杉さんとメル友もやめないと気持ちを抑えきれなくなるから。モヤモヤしてしまったけれど、忘れないようにお蕎麦屋さんのHPでモーニングサービスの予約をした。『ご予約ありがとうございます。お客様のご来店、心よりお待ち申し上げます。』予約完了した後に届く自動メールを確認し「予約完了っと」と声をだす。「~♪」ん?メールだ・・・小杉さんから?「こんにちは。今週末のご予約、承りました★久しぶりに御主人とご一緒なのですね!お待ちしております! 追伸:山寺もきっと喜びます(笑)」店長の頼もしい内容メール。「モーニングサービス、楽しみにしてますね!」普通のメール。・・・なのに、たった一通が大切な想い出になるのだろうと想うと切なくなった。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!