第三章 別れのきっかけ

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「いらっしゃいませ!!」元気で爽やかな山寺君が迎えてくれた。「山寺君こんにちは。この間は御馳走になりありがとう!お礼が遅くなっちゃってゴメンね。」「とんでもない!こちらこそ。ありがとうございます!お蔭でバッチリでしたよ★」「そうなんだ?良かった!」「はい!感謝・感激です!・・・あ、どうぞ、こちらの席になりますが宜しいですか?」「え?個室?」入った事の無い個室に驚いた。「そうなんです。ドタキャンされてしまって。お越しいただき助かりました。」「でも・・・こんな素敵なのに一人で?」「いいんですよ!それに・・・後でドッキリがあるので楽しみにしていて下さいね。今、そば茶お持ちします。メニューはスミマセン、予約メニューですのお楽しみってことで!」「??・・・うん?楽しみにしてるね」何だろう?それに小杉さんが居ない。おかしいなぁ。コンコン・・・。ドアをノックされ慌てて「はっい!」と変な声を出してしまう。「クスクス。こんにちは、お邪魔して良いですか?」・・・小杉さんだ。ドキキドキドキドキ・・・「あ、はい。」そば茶を持って現れた小杉さんは普段着だった。「へ?普段着??」想った事を声に出してしまい慌てて手を口元に添える。「ふふふ。今日は夕方から出社なので今はプライベートです♪一緒にお昼を食べましょう!勿論、こちらのお願いで来て頂いてますのでお食事代金は頂きませんのでご安心下さい」「え??そ、そうなんですか!え・・・と。あの・・お言葉に甘えて・・・」「はい♪ではカップル席ですので隣に失礼しますね」私の隣に小杉さんが座りニコニコしながらそば茶を置いてくれた。どうしよう・・・二人きりの個室になるなんて想っていなかった。「緊張しないでくださいよ、外では二人きりでご飯も行けないのだしデート気分で楽しみましょ?」「え!!デート??いや・・えっと・・・あ・・はい。お願いします」「こちらこそ。お願いしますね★」まさかの展開に頭がついて行かない状態で変な返事をしてしまい、その間にメニューが続々と運ばれてきた。コースメニュー???状況に全くついていけない、どうしよう!!焦っていたらテーブルの下で優しく手を握られた。
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