第三章 別れのきっかけ

10/16
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「君の泣き顔を見て、その可愛い顔も愛しいと感じる。だけど、出来れば嬉し泣きなら良かった。その悲しい涙を流させているのが自分であり申し訳ない気持ちでいっぱいなんだ。ゴメン。美味しそうに食べてくれる君を見たくて、知らない事を少しでも沢山・・・知りたかった。だけど一番好きなのは君の笑顔なんだ。御主人に見せる笑顔が何よりも素敵で・・・・・・・・・御主人を好きな貴方を好きになりました。だから、これ以上、君を苦しめたくはない・・・です。もしも生まれ変われるなら今度は君を誰よりも笑顔にする伴侶になれたら・・・これ以上ないくらい幸せです。」一言一言が凄く丁寧で誠意と好意をいっぱい伝えてくれた。泣いてばかりでは駄目だ。お互いの為にも一歩先へ進まなければならないのだ。目を瞑り大きく息を吸う。小杉さんの温もりを感じながら、ゆっくりと息を吐いた。「小杉さんが好きです。だけど、今後はもう、こうして逢うのはやめます。私には家庭が有って・・・それなのに・・・こんな卑怯な私を好きになってくれて凄く幸せです。二人で逢うのは最後、それから・・・・・・・最初で最後の電話はまた改めて。」私から小杉さんへ電話をする=サヨナラの合図。訪れて欲しくなかった現実だけど、いつかはぶち当たる壁。いよいよ、この恋は終わりを迎えるのだ。辛いのに胸のつかえはなくなっていた。残るのは刺激がなくなった後になお残る感覚・・・残像だけ。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!