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俺は自分自身に嫉妬している。
死ねない体にうんざりしている。
何をやっても生かされるんだ。
本に紹介してあることは全て試してみたけど、結局死ねなかったのだ。
それを相談出来るのは俺と同じ日に施設に入った有美(ゆみ)だけだった。
育ててくれた人が俺を捨てて逃げたから其処へ入れられたんだ。
俺は又遺棄されたのだ。
殺されたって噂もある。
嘘か真か、俺が殺したらしいのだ。
でも十四歳未満だったから罪にはならないようだ。
其処はフリースクールもやっていて、登校拒否児童も沢山いた。
学校で苛められ、此処に逃げ込んできたのもいる。
でもソイツ等には親がいる。
だから親無しの俺が仕返しされるんだ。
いじめっ子を遣ったら何をされるか解らないから、手っ取り早相手を攻撃するのだ。
所謂憂さ晴らしだ。
ソイツ等は陰険に遣られているから、傷付け方も承知しているのだ。
そんな時、俺は大抵有美に助けられる。
ソイツ等は俺に向かって暴言を吐きながら逃げていくんだ。
だって有美は物凄く強いからだ。
俺は秘かに有美に憧れていた。
勿論恥ずかしくて言える訳がない。
強い女性が好きだなんて言えるはずがないんだ。
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