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俺は自分の体を何度も危険な目にあわせている。
でも死ねなかったのだ。
だから俺自身さえもそう思い込んでいたのだ。
有美はそれを知っていたのだ。
何気にカフェのガラス窓を見たら……
俺が映っていた。
青白く生気のない俺はまるで死神そのものだった。
「これか!?」
俺が死神だと言われていたのはこのせいだったのだ。
「本当に死神みたいだな?」
何気に有美に質問した。
すると有美は立ち上がった。
「見ないの」
有美はそれを隠すような仕草をした。
「これは……この影は私と居るから……だよ」
「ん!?」
「死神は私なんだよ」
聞き取れないくらいか細い声で有美は言った。
「今、確か死神って……。えっ、誰が死神なんだ?」
その答え、本当は望んではいなかった。
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