さよなら、先輩

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あれから数ヶ月経ち、わたしは高校3年生になった。 入学以来ずっと続けていた部活も先週末に引退試合が終わって、そろそろ勉強に本腰を入れる時期となった。 志望校や判定という言葉をよく見聞きするようになってわたしも、いや家族全員が徐々に焦りを感じ始めた。 そしてある日、お母さんから家庭教師が来ることを告げられた。 「お友達のお子さんがね、西海大学の一年生なのよ。西海の学生にしたら咲織の志望する元館大学なんて余裕だろうし、よ~く教えてもらいなさい。」 「えぇ~!やだよ!西海の人がこんなバカに付き合ってくれるわけないじゃん!」 「それがね、良いお小遣稼ぎになりますって快諾してくれたのよ!」 「えぇ!?そんなお金があるならわたしのお小遣上げてよ!」 「なに言ってんのよ!塾に通うより遥かに安いわよ!それにねぇ、そんなことしっかりテストの点数取ってから言いなさい!」 ぎゃあぎゃあと言い争っていると家のチャイムが鳴った。
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