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「ただいま」
湯上りの高瀬さんが静かに部屋に入ってくる。石鹸の匂いが仄かに漂ってきて、それだけで心拍数は急上昇だ。
「お、おかえりなさい」
眠気も吹っ飛び、とりあえずベッドに座って待っていたが、その隣に少し間隔を空けて高瀬さんが座る。
この状況、なんだろう。
「ソファに吉田が寝てるだろ。だからベッドに三人でどうにか寝ようとしたんだけどさ、ベッド二つあるんだから二人ずつ分かれようって阿部が煩くて」
あぁ、なるほど。それで騒いでいたのかと納得する。
「終いには阿部が市川と寝るとか言い出すし」
盛大な溜息が高瀬さんの口から吐き出される。
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