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来週頭にはプレゼンが控えているというのに、資料作成は頓挫している。
今日中に仕上げようと思っていたが難しそうだ。これはもう持ち帰るしかあるまい。
パソコンに向かっていても、頭に浮かんでくるのは昼間見たあのニュースのことばかり。
大して仕事は進んでいないのに疲労感を覚えて「ちょっとマーケティング部に行ってきます」なんて言い訳をして営業部のオフィスを抜け出した。
そのまま気分転換をしようと屋上に向かう。日陰のベンチに座ってゆっくり瞳を閉じた。
「大丈夫か」
暫く座っていると、落ち着いた低い声が背後から聞こえた。振り返り、慌てて目元を拭う。
「ほら、ミルクティー」
隣に高瀬さんが腰掛け、そのまま冷えたミルクティーを手渡される。
恐らくわたしの涙に気付いていると思うが、高瀬さんは何も言わない。
「ありがとうございます。高瀬さんったら、サボりですか?」
「サボりに行く奴の背中が見えたから追いかけてきただけ」
「サボりじゃないですよ、精神統一です」
「なんだそれ」
高瀬さんはそれ以上何も言わず、黙ってアイスコーヒーを飲む。
わたしもそれに倣って、ミルクティーに口をつけた。
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