鬼胎を抱く日々

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 週末は物件探しに費やした。  しかし忙しさのわりに疲れはない。不安ばかりだった以前とは違い、今は新たな暮らしへの期待がある。  「カウンターキッチンが良いです」  「独立洗面台。バストイレ別」  「駅から徒歩十分以内」  「遠いなら車で行けばいいだろ」  当然のようにそう言われ、その手があったことに気付く。  「徒歩圏内にスーパー」  「週末に車で……」  分かっていない、と首を振る。  「広告の品とか色々あるんです」  なるほど、と高瀬さんが頷く。こうして考えてみると案外求める条件は多い。  それらに合致する物件を選び、実際に足を運んで内覧を重ねる。  この二日間はそれを繰り返し、日当たりや周辺環境、家賃などを比べていくと自ずと部屋は絞られていった。
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