三度目の正直

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 「お邪魔します」  ぞろぞろと高瀬さんの友人がリビングに入っていく。  「おー、広いじゃん」  「あ、これ引っ越し祝い」  「ビールと惣菜だけどな」  仕事が終わってすぐに来たのだろうか。三人ともスーツのままだ。  「ジャケット掛けておきますか?」  「あ、すみません」  お互いにぎくしゃくしながら会話を交わす様子を高瀬さんが面白そうに見ている。  「あ、えーと。吉田です。高瀬とは大学の同級生で……」  高瀬さんより身長が高く、いかにもスポーツマンというような身体つきだ。緊張しているようで顔が赤らんでいる。  「阿部です。俺だけ学部は違ったんだけど、縁あって仲良くさせてもらってます」  「え?これなに?すごい美味そう!」  「こら、保坂」  人懐っこそうな笑顔の阿部さんと、天然なのかマイペースなのかスペアリブを指差している保坂さん。  その様子を見て、少し緊張が解れる。  「市川佳乃さん。同じ会社で働いてる」  わたしも挨拶をしようと口を開きかけたが、高瀬さんがわたしの背中に手を添えた驚きで静止してしまった。  「あの、失礼ですけどご年齢は……」  「23歳です」  「若っ!」と三人が目を見張る。
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