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電車が終電につき、
瞼をこすりながら母から手を引いて貰った。
「静か。」
カードを改札に通し通りすぎた後駅も電気は闇に
飲み込まれた。
ノスタルジックな街灯のあかりに照らされた歩道を歩いた。
看板とか閉店した店、
まだタクシーがお客さんを乗せ走っていたり。
自販機だけが輝いていたり。
「寒いわね。」
「うんっ。」
母はそう呟いた。
私は霜焼けになりそうな手を何度か
擦り合わせた。
母は手袋また来年ねとわらってみせた。
軍手二重でもいいよ。と
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